二十代の頃、八年ほど、
茶道というものを習っていた。
別に興味があったわけでもなく、
母に無理に勧められ、
いやいやながら始めただけ。
でもね、
「茶道」ってね、
ものすごく心が落ち着くんだよ。
お香の香りが漂う畳の部屋で、
炭がパチパチと燃える。
お湯がふつふつと沸き、
お手前をする人の
かすかな息遣いが聞こえる。
かすかに触れ合う
お釜とひしゃくの音・・・
心の奥まで落ち着いてくる。。。
これこそ、究極のロハス・・・
心を清浄化するために
わざわざ「茶道」を始める
アーテイストも沢山いるらしい。
で、ある日の「お茶会」でのこと。
その日は朝から夕方までの
大規模なお茶会。
よく、テレビでみるような
格式ある場所での正式なお茶会。
そのお茶席で、
私にとっては忘れられない出来事が起こった。
午後から参加したお茶席の場所は
十畳ほどしかない狭い場所。
もちろん、みな、お着物をきて、
そこには厳かな雰囲気が流れている。
年配の方がお手前をし、
比較的若い者たちが、
お客様としてお茶を頂くのを待っている。
その時だったの。
突然、となりに座っていた知らない男の人が、
私の耳に口を近づけてきて、
一言、小声でささやいた。
「あなた、無銭飲食したでしょう?」
「えっ???」
(なんじゃ、この人???
突然何をいうの?こんな席で?)
基本的にこういう席では
しゃべってはいけない。
だから、私も精一杯小さな声で、
「私がですか?いつ?なんで
そんなことおっしゃるんですか?」
と聞いた。
すると、
「私、さっきみましたよ。
あなた、ラーメン屋さんで、
お金はらわないで、でていきましたよ。」
(???)
よく、考えてみる。
お茶会の午前と午後の部の間に
友達と二人で、
たしかに、
すぐ近くにあるラーメン屋さんに入った。
そして、ラーメンを注文し、食べた。
・・・・・・・・
あっ。
そういえば、そのままでてきた・・・
いくら考えても、
お金を払った記憶が全くない。。。
完全に、無銭飲食・・・
故意でなかったとはいえ、
もし、今、このお茶席に
警察が乗り込んできたら、
私は絶対逮捕されるんだ!
もう、私の心はお茶会どころではなくなった。
でも、厳かな茶会で途中退場は言語道断。
(警察さん、来ないで。
警察さん、来ないで。
絶対、すぐに払いにいくから。。。)
残りのお茶会の間、ずっと、唱えてました!
そして、お茶会終わると同時に、
着物を翻し、
すごい勢いで走って、
お金払いにいきました。
「ほんとにごめんなさい。」
平身低頭して、誤りました。
ラーメン屋のおじちゃん
ニコリともせずに一言。
「今度から、気をつけるんだよ!」
ちょっと、悲しかったけど、
警察に通報していなかっただけでも、、
ありがたかったよね。
でも、
ほんとに、びっくりしたよ~。
この「お茶会」
ひまわりにとっては
一生忘れられない
「お茶会」なのでした・・・(笑)
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